日本で最も愛されてる家庭料理の1つ「ハンバーグ」。語源はドイツのハンブルグとか、もうどうでもいいほど美味しい!
ジューシーだったり、フワフワだったり、噛み応えがあったり、溢れ出る肉汁、ハンバーグの付け合わせ。もうジューっと言った料理の音まで、想像しただけでよだれが出そう。
ハンバーグは、その作り方や味付けも千差万別で、もはやレシピで溢れかえっています。ここでは基本のハンバーグの作り方だけじゃなく、どこをどう変化をつければハンバーグに違いが出てくるのかも取り上げてみます。
基本のハンバーグのレシピ
食材(2人~3人前)
合い挽き肉:300g
玉ねぎのみじん切り:1/2個
パン粉:1/2カップ
卵黄:1個
にんにくのみじん切り(お好みで):1かけ
和風ハンバーグの付け合わせ
大根おろし、トマト、ブロッコリー
ポン酢:適量
調味料
塩:小さじ1/2
胡椒:少々
砂糖:小さじ1/2
ナツメグ:少々(あれば)
基本のハンバーグの作り方
ハンバーグ作りの大まかな工程は以下の通りです。
- タネに入れるものを下準備
- タネをこねる
- タネを成形
- ハンバーグの片面に焼き色を付ける
- 裏返して蓋をして蒸し焼きにする
*タネ = 焼く前のハンバーグ
1)下準備
玉ねぎをみじん切りして、油大さじ1/2くらいを加えてフライパンで炒める。
全体に油が回ってしんなりしたら火を止めて粗熱が取れるまで待ちます。*面倒でなければ冷蔵庫で冷やしておくとさらによいです。
挽き肉(タネ)は温度が上がると油脂がとけてべちょべちょしてきます。そのため、温かいままの玉ねぎを入れるとべちょべちょになることがあります。もちろん、ひき肉も調理直前まで冷蔵庫で冷やしておきます。
2)タネをこねる
ボウルにひき肉を入れて、玉ねぎを含めたすべての調味料を入れます。
タネを木べらでグルグルと粘りが出るまで混ぜ合わせます。
もちろん手でこねてもいいですが、タネが指に引っ付いたり手から伝わる体温で油脂がべちょべちょになったりします。手でこねるにはある程度の慣れが必要なので、木べらでこねた方がよっぽど簡単です。
3)タネの成形
タネを3等分にして成形していきます。その前にタネを置き場を確保しておくのを忘れないで。
手に、タネ引っ付き防止のために油を塗っておくといいでしょう。
次からの工程では、時間をかけて両手で成形してたりキャッチボールをしていると体温が伝わりタネがべちょべちょになります。なので多少のこだわりは捨てて、時間をかけずにチャチャっとやります。これがタネを成形する最大のコツです。
タネを両手で丸めて楕円形にします。形にこだわるより厚みを均等にすることが大切です。
だいたいの形ができたら、両手で5回くらいキャッチボールをして空気を抜きます。
そのあとで、ハンバーグの表面を滑らかにします。凹凸があると焼いたときに肉汁が逃げたり割れてしまうことがあるからです。
最後にハンバーグの真ん中を軽く押し込んだら成形の完成です。
*写真は2倍量
4)ハンバーグの片面に焼き色を付ける
フライパンに薄く油をひいて中火にかけます。火加減はずっと中火です。
各家庭で「中火」が違うので一概には言えませんが、ハンバーグを入れたら一瞬だけ「ジュッ」と音がするくらいです。いきなり「ジューッ~」と長い音がしたら火が強そうだし、逆に何も音がしないときは火が弱い可能性があります。
ハンバーグの厚みにもよりますが、3~4分くらい経った時に焼き色が付くくらいの火力がいいでしょう。
*短い時間、強い火力で先にハンバーグに焦げ目を付けて、肉汁を閉じ込めるテクニックもあります。しかし基本のハンバーグではこれをお勧めしません。じっくりと焼いた方が、肉汁が多少逃げたとしても肉の旨味を引き出せます。
5)裏返して蓋をして蒸し焼きにする
焼き色が付いたら裏返して蓋をします。
蓋をして、だいたい7~10分くらい蒸し焼きにしたら頃合いです。
蓋を取りハンバーグの1番厚いところに竹串など(判断できないようならお箸)を指し、透明な肉汁が出たら焼きあがってる証拠です。*もし濁った汁がでるようなら生焼けで、もう少し時間が必要です。
お皿に盛り付ければ基本のハンバーグの完成です。
今回はシンプルに和風ハンバーグにしてみました。ポン酢でいただきます。
ハンバーグを簡単に作るコツ
まず、ハンバーグを簡単に作るコツは、考え方はシンプルにすること。
ひき肉に玉ねぎのみじん切りと卵を加えて粘りが出るまでこねる。それをうまく焼き上げればそれだけで80点になります。
ハンバーグは食卓に並ぶことも多く、たくさんの超上級者レシピが溢れています。ハンバーグ作りの初心者が1番に気を付けることは上級者はある一定のレベルに達していて、そのあとのテクニックを詳細に説明していることが多いというとこです。
ハンバーグ作りは奥が深く、超上級者でも失敗することがあります。失敗と言っても「いつもは99点なのに今日の出来は90点」みたいな話で、実はその差は作った本人以外に分からなかったりします。
ハンバーグ作りを極めていくことは「自分や家族の理想のハンバーグ」を求めることで、自己満足の追求であったりするかもしれません。好みは人それぞれで、全て人が100点を付けるハンバーグなんてあり得ないんだから!
基本のハンバーグは100点である必要がありません。みんなの平均が80点かもしれないけどいつも同じような仕上がりを目指す方がよいでしょう。つまり、いきなり超上級なことに挑戦しないほうがいいということです。
合い挽きは牛豚7:3とかにこだわるのもいいですが、こねてるときに「いつもより柔らかく感じる」とか、焼いてるときに「油がたくさん出てくる」とか、そんな変化に「なんで?」と気づくと、あっという間にハンバーグ作りの上級者の仲間入りするでしょう。
食材について
基本のハンバーグでは、卵、玉ねぎ、パン粉の3つを用意すると良いでしょう。
極端な話は、この3つがなくても美味しいハンバーグは作れます。しかし、まずは基本となるハンバーグを1つ身に着けてからオリジナルを探すほうが近道でしょう。
卵(卵黄)
ハンバーグは肉の塊ではないので、成形する(1つにまとめる)必要があります。このとき、肉と肉がつながる働きを助けてくれるのが卵です。つなぎが弱いとハンバーグがぽろぽろした仕上がりになったり、焼いてるときにハンバーグが割れて美味しい肉汁が出てしまうということもあります。
それだけではなく・・
卵はたんぱく質ですが、万能ソースとしてさまざまな料理に使えます。例えば、まったく味付けしない挽き肉を焼いても食べれたものではありませんが、これに卵を加えるだけで、あら不思議、まろやかな弾力があって、そこそこに仕上がります。
すき焼き、鶏つくね、卵かけご飯なども、生の卵を絡めて食べるとコクや風味が豊かになりますよね。卵はソースとしても役立ちます。
玉ねぎのみじん切り
玉ねぎを加えることでうま味とみずみずしさ、それに甘みを加えます。ファーストフードの「ハンバーガー」には、必ずと言っていいほど玉ねぎのみじん切りがパテ(肉)に乗っていますよね。成形したひき肉と玉ねぎは切っても切れない仲なのかもしれません。
他にも玉ねぎは、挽き肉のつなぎになったり、肉臭さを消す役目もあります。玉ねぎの嫌いな人でも、ハンバーグの中に入ってるものなら食べられるという話もよく聞きます。
玉ねぎは・・
食感を楽しみたいなら炒めずに生で使います。ただし玉ねぎの水分は必要ないのでみじん切りした後で絞ったほうがいいでしょう。ハンバーグが水っぽくなる原因になります。
玉ねぎのみじん切りをレンジで加熱するレシピも見かけますが、この場合でもよく水分を絞った方が仕上がりがよくなります。
*玉ねぎの半分を生で使い半分を炒めるレシピもあります。生の食感と炒めた甘みとうま味を欲張ったレシピですが、ちょっと上級者向けかもしれません。
玉ねぎを炒める場合は、中火で木べらなどを使い焦がさずに炒めます。2~3分、軽く炒めてしんなりさせるだけでも水分が飛んで玉ねぎの本来の甘さが出ます。
玉ねぎを炒めた場合やレンジで加熱した場合、絶対に熱いままタネに加えてはいけません。
タネに熱を加えることによって挽き肉の油脂分の旨味が溶けて流れやすくなるからです。
飴色玉ねぎ
玉ねぎ炒めについては、飴色玉ねぎの話にも触れなければなりません。玉ねぎを炒める最大の理由は、水分を飛ばして玉ねぎ本来のうま味と甘みを引き出すことです。
*飴色玉ねぎは大変手間がかかる作業なので、基本のハンバーグでは必須作業ではありません。
なぜ玉ねぎの色が変わるのか?メイラード反応については記事を書いています→
飴色玉ねぎの作り方は、手を止めずに10分程度のあいだ中火で炒めます。色と量の変化はこんな感じ↓
玉ねぎの色が、白から黄色にだんだんと変わってきて、水分が飛んで量も少なくなった状態。
炒め始めてから10分程度で上の写真くらいの飴色玉ねぎが完成します。量は最初の半分以下になっています。
飴色玉ねぎ入りのハンバーグは美味しいですが、1つ注意が必要です。
*もうほとんど水分は蒸発したので 、これ以上はあまり効率的ではありませんが、もっと炒めて茶色の飴色にすることもできます。その場合は、うま味と甘みが増す代わりにわずかな苦みも発生するのでお好みになります。
飴色玉ねぎを強調するレシピをよく見かけますが、ハンバーグ作りのテクニックの1つと思うくらいがいいでしょう。飴色玉ねぎを使わないハンバーグ作りのプロもたくさんいます。
パン粉
肉のうま味や油脂を閉じ込めて、外はカリッと中身はフワッと仕上げます。
ナイフで切ったときに肉汁が溢れ出るハンバーグって見た目にも美味しそうですよね。うまく肉汁を閉じ込めたハンバーグを焼くには、パン粉を多めに使い油脂を吸わせることで、うま味となる油脂がフライパンに流れ出ないようにします。
パン粉を牛乳に吸わすレシピのありますが、そうすることで、さらにジューシーさがUPします。その場合には水分の比率が高くなるので肉っぽさが薄れます。
もし、肉の弾力を楽しみたいならパン粉は必要ありません。フワッとジューシーなハンバーグが現代の主流ですが、挽き肉の余計な油を流すことで噛み応えのある仕上がりになります。
パン粉の代用
パンをフードプロセッサーにかければ手作りパン粉になります。包丁で細かくみじん切りにしても大丈夫です(ハンバーグ作りなら)。もし冷凍パンがあるなら、すりおろすと簡単にパン粉ができます。