メイラード反応とは (Maillard reaction)

料理のコツ

メイラード反応を考える

料理の腕が上がってくると「メイラード反応」という言葉を耳にするようになります。

メイラード反応を簡単に説明するなら、例えば、ステーキやパンに焼き色がつくことです。白いパンに熱を加えていくときつね色に焼き色がつき、さらに加熱すると真っ黒に焦げてしまいます。この変化こそメイラード反応で、私たちは無意識のうちに料理にメイラード反応を利用しているわけです。

食品をある程度の温度まで加熱すると化学反応が起きます。加熱された食品内の糖やアミノ酸に変化が現れ副産物が生じてきます。色はきつね色や黒色の「褐色」に変わっていき、食品本来の「風味」が強くなり、さらには焦げ臭と変化していきます。

この化学反応は食品が褐色に変化していくことから、褐変反応(かっぺんはんのう)と名づけられました。「メイラード反応」という言葉は、1910年ごろ、ルイ・カミーユ・メイラードというフランス医師によって発見されたところから命名されています。

メイラード反応と料理

メイラード反応が料理に欠かせない理由は、メイラード反応によって食材本来の強い風味をもたらし、さらに焼き色がついた仕上がりは食欲をそそるということです。

しかしメイラード反応の最大の利点は、化学反応の副産物として「加熱前にはなかった旨味」が生まれることです。

焼きおにぎりやパンの焼き色が美味しいのには訳があり、加熱して食感がカリカリするようになったのに加えて、それまでなかった「旨味」がメイラード反応によって生じているからなのです。

料理の上手な人は食材を炒めた後の鍋にこびりついた軽い焦げ(本当に焦がしちゃだめですよ)をうまく利用します。もしメイラード反応という言葉をしらなくても、それが「旨味の素」だと知っているからです。

軽い焦げはヘラなどでこすらなくても、水分を入れればすぐに落ちます。それを利用して食材のソースを作ったり、煮込み料理の旨味の素とするのです。

メイラード反応の温度

メイラード反応は110℃前後で起こり始めて、150℃前後がもっとも活性化すると考えられています。ただし食品によって差があるので、150℃だとすぐ本格的に焦げてしまうものもあるので注意が必要です。

フライパンに油を引いて加熱すれば、すぐに150℃くらいになります。油は200℃前後になるとパチパチと沸騰しはじめるので、焦げないようにうまく焼き色を付けるなら150℃前後をキープする温度調節が必要です。

*最初に油を温めていても、食材を乗せた時にフライパンの温度は一気に下がります。いかにして150℃前後の温度を保ちメイラード反応を活性化させるかがポイントになります。

水分を含む場合

メイラード反応は100℃を超えてからおこる化学反応なので、煮たり蒸したりする料理、あるいは表面に水分がある食材では起こりません(例外があるが割愛)。なぜなら水の沸点は100℃なので、まずは水分が蒸発しないと100℃以上にならないからです。

フライパンの底に水を入れて、強火で熱していると水が蒸発していきます。すべての水が蒸発してなくなると今度は煙が出てきます。あの状態がフライパンの底の温度が100℃からさらに上がろうしている瞬間です。

例えば、水分を含んだひき肉がメイラード反応を起こす場合、まずはひき肉とフライパンが接してる部分の水分がどんどん蒸発していきます。

そしてひき肉の焼いている面の水分が完全に飛んで100℃以上になったときに、初めてメイラード反応が起こり、焼き色が付き始めます。

水分が食品の表面(フライパンと接してる部分)から完全になくなった瞬間が焦げの付き始めで、水分をたくさん含む食品ほど水分が飛ばずに焦げが付きにくいということがわかります。

メイラード反応への過信

メイラード反応は料理を上手に作る1つのテクニックですが、それがすべてではありません。例えば、玉ねぎのみじん切りをきつね色に焼き上げると旨味と風味がアップし、これを利用したカレーなどの煮込み料理はとっても美味しいです。

しかし、「玉ねぎのみじん切りはきつね色になるまで炒めた方が絶対に美味しい」というのは過信でしかありません。油(コク)をあまり好まない赤ちゃんや年配の方、もしくは体調不良のときなど、あっさりした料理を作りたいときは炒めずに「ゆっくりと時間をかけて茹でる」など、料理の方法を変えてもいいでしょう。

料理の腕が上がるといろいろなテクニックを覚えます。炒める、茹でる、蒸す、など、どれが正しいなどということはありません。メイラード反応は料理の一つのテクニック、それをこだわりすぎると本質を見失うことがあります。

 

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