基本のペペロンチーノのレシピ
アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ。余計なものを入れないペペロンチーノはシンプルなだけに料理の腕の差が出やすく、ペペロンチーノが作れるとパスタづくりの1人前と言わることもあります。
このページは余計なものは一切使わない、ペペロンチーノの基本レシピです。誰でも簡単に作れるようになるべく丁寧に説明しています。
イタリア語で、アーリオはにんにく、オーリオは油、ペペロンチーノは唐辛子。日本だと略してペペロンチーノ!
材料(1人前)
スパゲッティ:80g(コツ参照)
にんにく:2かけ(スライス)
オリーブオイル:大さじ2
赤唐辛子:1本
パスタのゆで汁:大さじ2
パセリ:適量
お湯:700cc
塩:10g(お湯の1.5%くらい)
最低限、用意する食器
鍋
フライパン
菜箸 or パスタトング
ざる
お皿とフォーク
ペペロンチーノの作り方
最初にパスタ用のお湯を沸かし始める。沸騰したらパスタを入れてもいいけど、上手く作れるようになるまでは、次の「ニンニクの揚げ焼き」の工程が終わるまでパスタを入れない方が失敗が少ないです。
ニンニクの揚げ焼き
フライパンにオリーブオイルとニンニクを投入。まだ火はつけない。
写真のようにフライパンを傾けてオイルを端っこに寄せる。そうすることで、少ない油でもニンニクを揚げ焼き(オイルに浸かった状態)にできる。揚げ焼きにすることで、オイルにニンニクの香りを移していきます。
ここで初めて火をつける。火加減は弱火。
*火はオリーブオイルとニンニクを入れてから付ける。温度の高い油にニンニクを入れると一気に焦げてしまいます。
唐辛子は辛さによるけど最初から入れてもOKです。*コツ参照
写真のようにニンニクが色付いてきたらいったん火を止める。
スライスしたニンニクは余熱でどんどん火が通るから、きつね色に変わってきたあたりで火を止める。時間にして3~5分くらい(スライスの薄さによる)。
パスタを茹でる
沸騰したお湯でパスタを茹で始める。塩はお湯に対して1.5%、700ccのお湯だったら小さじ2(10g)入れる。しっかり量ることは大切だけど、ちょっとの誤差は大丈夫です。茹で時間はメーカー表示の30秒ほど短めにする。(*この工程は慣れればニンニクの揚げ焼きと同時進行でOKです)
ソースづくり(乳化)
フライパンを弱火にします。ここからは最後まで弱火。グツグツと煮立ててはいけません。
オリーブオイルと同量(大さじ2)のゆで汁を加える。茹で汁はパスタが茹で上がる直前のものがいいです。
写真は、黄色がオリーブオイル、左側の透明な膜が茹で汁。茹で汁を加えた瞬間は混ざり合うことなく、完全に分離しています。
*慌ててソースをかき混ぜなくても大丈夫。今回みたいに写真を撮りながらゆっくり調理してもしっかりと乳化します。
パスタが茹で上がったらざるに上げておく。このとき可能なら茹で汁を全部捨てずに、少し鍋に残しておく(ソースが少なかったとき用)。
パスタはしっかりと水を切る。
フライパンを優しく揺するとだんだんと馴染んでくる。
*激しくかき混ぜていません。
菜箸で軽くかき混ぜると透明な膜が分散して、オリーブオイルに茹で汁が溶け込んだように見える。
フライパンを傾けて菜箸を使うのがポイント。
*まだ激しくかき混ぜていません。
そして、いよいよ激しくかき混ぜると中心部分は濃い黄色になり、周りの部分が薄い黄色になってきます。
*写真は鍋底が白いものを使っています。乳化がよくわからないときは、同じようにオイルと水の変化が見れる色のフライパンがいいでしょう。
ほぼ乳化した状態。色が落ち着き周りの部分もソースと一体化。
オリーブ油と茹で汁の比率は1:1で写真のような仕上がりになります。このあとパスタと絡めたときにさらにトロミが付くので、これ以上の強いトロミを求める必要はありません。
*トロミというとドロッとしたイメージもありますが、水よりも少しトロミが付いたかな?ってくらいで乳化は完成しています。
ソースとパスタを混ぜる、盛り付け
ソースが完成したらパスタを加えて混ぜ合わせます。
すでに乳化ソースは完成しているのでフライパンを激しく振る必要はありません。オイルに絡ませるようにスパゲッティーを混ぜてやればOKです。
麺に残った水分(でん粉)とソースが絡み合って、さらにトロミが付くはずです。
味見をして薄いようなら塩を加えてください。もしもパサパサなら取り置きした茹で汁とオリーブオイルを足します。
*写真はこのときに乾燥パセリを加えています。
パスタにオリーブオイルがよく絡んでるのがわかります。
仕上げにエクストラヴァージンオイルを加えるレシピもありますが、すでに大さじ2のオリーブオイルを入れてるのでしつこくなる可能性もあります。お好みで加えるなら香りづけ程度に。
お皿に盛り付けたら、温かいうちに召し上がれ~
ペペロンチーノを簡単に作るコツ
このレシピの1人前は80g。パスタを増やすなら調整が必要ですよ。
例えば100gにするなら、オリーブオイルと茹で汁は、「大さじ2と1/2」になります。
ポイント
1)パスタを茹でるお湯を少なめにする
2)乳化はフライパンを傾けて菜箸で
3)スパゲティーはしっかりと水気を取る
4)パスタはフライパンで混ぜるだけ
パスタを茹でるお湯を少なめにする
1)パスタを茹でる水は少なめにします。700ccじゃなくてもいいですが、なるべく少ない方がいいです。(塩は水の量の1.5%、ここさえ間違えなければ適当でも大丈夫)
平らな鍋(麺がしっかりと浸かる鍋)があれば500ccのお湯でもOKです。この場合の塩は小さじ1と1/2。(500×1.5=7.5g)
通常は大きな鍋で1リットルくらいの水で茹でますが、ペペロンチーノに関しては少ない水のほうがいいです。なぜならパスタに含まれるでん粉がソースの決め手になるからです。
茹で上がり直前の茹で汁を少し飲んでみればわかります。溶け出したでん粉と1.5%の塩で、すでにスープのような味に仕上がってるはずです。これとニンニク風味のオイルが混ざることで美味しいソースが完成するのです。
乳化はフライパンを傾けて菜箸で
2)ペペロンチーノのレシピでは、パスタを加えた後に激しくかき混ぜるものがあります。しかし誰でも作れて失敗が少ない方法を考えると、「パスタを入れる前にソースを乳化させる」ほうが簡単なのです。
ソースだけを乳化させるならフライパンを激しく振る必要なんてありません。フライパンを傾けて、菜箸でかき混ぜてしまえばいいのです。
このとき茹で汁を加えた後に一気にかき混ぜるのではなく、最初は優しく、だんだんと激しくかき混ぜる(撹拌する)ほうがキメの細かい美味しいソースになりやすいです。
強いトロミを求めるなら、油と茹で汁が一体化した後にさらにオリーブ油を加えてかき混ぜる。きっとお望みのトロミが付くでしょう。
スパゲティーはしっかりと水気を取る
3)ペペロンチーノのレシピでは、パスタトングなどで鍋から麺を直接フライパンに入れるものが多いでしょう。しかしこのレシピではしっかりとパスタの水を切ることで、麺とオイルがよく絡みます。
このレシピではソースは先に乳化させます。パスタに余計な水分があるとそれが邪魔をして、麺と絡みにくくなるのです。
よく失敗したペペロンチーノを見ると、ソースはすっかりフライパン内で乳化しているのに、さらに水っぽいスパゲティーを加えてソースを台無しにしています。
プロはパスタを加えた後にフライパンを振って乳化させます。簡単そうに見えて、これにはとても高い技術が必要なのです。
乳化させたソースを水分をしっかりと切ったパスタと混ぜる。レトルトなど売ってるソースを使うとき、しっかりパスタから水を切って混ぜるでしょ。
パスタはフライパンで混ぜるだけ
4)ソースはグツグツさせると失敗しやすくなります。パスタを混ぜるときもソースが冷めないように弱火にしてるだけで、もしグツグツするようなら火を止めます。
ペペロンチーノ作りに何度か失敗すると、熱い方が乳化するのでは?と思う人がいますが、それは勘違いで他に問題があります。
乳化したソースはグツグツさせてもダメだし、パスタを入れた後も炒めてはいけません。
ペペロンチーノの材料
にんにく
青森産とかスペイン産とか。確かに美味しさは変わりますが、上手に作れるかどうかに比べればそれほど意味のないことです。上手に作れるようになった後のお楽しみです。
切り方も潰したりスライスしたりお好みで。ただ、スライスした方が火の通り具合が見やすいでしょう。焦げやすいので気を付けて。
赤唐辛子
いつ入れるか、種を抜いたり輪切りにしたり。これも辛さが変わるだけでペペロンチーノ作りが成功するかとはあまり関係しません。(厳密にいえば種が入ると多少は乳化しやすいかもしれません)
同じ袋に入ってるのにたまに激辛の唐辛子あります。気を付けて。
オリーブオイル
仕上げに、エクストラヴァージンオイルを入れて香りを出してもいいでしょう。オリーブオイルの匂いが嫌いなら、サラダ油だって作れますよ。
パセリ
焦がさないように気を付けて。生パセリでも乾燥パセリでも、お好みで。高温のオイルに入れるとすぐに風味が飛んで台無しになってしまいます。
塩と水
塩はパスタを茹でるときに水の1.5%入れる。これはソースの出来を左右するので、しっかり量った方がいいです。
最初のニンニクを揚げ焼きしてるときに塩を入れる方法もありますが、塩は油に溶けないので、ニンニクに味が付くイメージです。
コンソメなどの調味料
このページではシンプルな(最低限の材料で作る)ペペロンチーノのレシピを紹介していますが、コンソメや醤油などを入れてもいいでしょう。
塩味がいいかコンソメがいいか焦がし醤油がいいか、みたいなもので人それぞれの好みです。「最低限の材料で美味しく作れる」というのはレシピとして大切なことですが、それが誰にとっても最高に美味しいかどうかはわかりません。
ただし、乳化ソースはしっかり作ること。ここさえ間違えなければ美味しいオリジナルペペロンチーノが完成するはずです。